「スタンフォードの自分を変える教室」を読んで

「スタンフォードの自分を変える教室」

ケリー・マクゴニガル(著), 神崎 朗子(翻訳)

本書籍では目標を達成できない最大の要因は「意志力の弱さ」とし、「意志力」を磨いていくためのさまざまな方法について脳科学の検知や実証データを取り入れてわかりやすく教えてくれます。

「意志力」には「やる力」「やならい力」「望む力」の3つがあり、「意志力」を強化することで、目標を達成するための最大の敵である欲望や誘惑に負けないよう自己コントロールすることができるということです。

多くの自己啓発本は、目標を設定すること、目標を達成するためにどうするべきかについて書かれていますが、本書でいう「望む力」の強化に重点がおかれています。本書籍では、なぜ人は欲望や誘惑にまけてしまうのか、その時の脳では何がおこっているのかを脳科学の検知や実証データで明らかにし、欲望や誘惑に負けないようにするために「意志力」をエクササイズで強化していくものです。

私もそうですが、自己啓発本を読んだ最初は目標を設定し、モチベーションはあり行動するものの、すぐに何かと言い訳をし、怠惰にふけってしまいます。その後、自己嫌悪になり、何て私は「意志が弱いんだ」と思ったことのある人は多いのでなないでしょうか。この本で書かれていることは一度は経験したことがあることが多く、なぜ人はそうしてしまうのか科学的に説明してくれます。そして、なぜ自身がそのように行動してしまったのかを分析し理解することが必要であるともいっています。

実は最初にこの本を読んで思ったのは、そんなに詳しくはないのですが「(初期)仏教思想」に通じるものを感じました。最初の「意志力」を強化するエクササイズで瞑想をとりいれていること、自身を観察し自己認識力を高めること等が、仏教の「気づき」に近いと感じました。私は(初期)仏教については岩波文庫の「ブッタのことば – スッタニパータ 中村 元(著)」等で知っている程度ですが、逆にこの本を読んで「ブッタのことば」で書いてあったこと少し理解できたような気がします。

マクゴニガルさん自身のヨガや瞑想の指導もしておられるとのことです。

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